喫煙は体に良くない、特に肺と心臓は直接的な影響を受ける器官である。タバコの毒素は肺がん、気管、膀胱、膵臓のがんのリスクを高める。また、タバコの煙に含まれる有毒物質は心臓の血管を狭め、冠状動脈疾患や心筋梗塞を引き起こす可能性がある。したがって、喫煙をやめ、最初からタバコと関わらないことが、肺と心臓を健康に保ち、タバコがもたらす悪影響から遠ざけることにつながる
 

タバコと知っておくべき統計

2018年の世界保健機関のデータによると、現在、世界中で約11億人が喫煙しており、年間700万人以上が喫煙により死亡している。そのうち約89万人が受動喫煙により死亡している。喫煙による死亡の主な原因は肺がんと呼吸器系の疾患で、心臓疾患や血管系の問題に関連した原因で約300万人が死亡している。タバコを避けることは、長期的な健康管理における重要なステップである。タバコの煙は7,000種類以上の有害化学物質を含んでおり、体に悪影響を及ぼす

(REF: https://news.thaipbs.or.th/content/272522)

タバコと肺がん

喫煙が直接影響を及ぼす器官は肺である。長期間にわたる喫煙は肺を徐々に破壊し、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、そして最終的には肺がんを引き起こす可能性がある。タイでは、男性のがん死亡原因の第2位、女性の第4位が肺がんであり、肺がんががん死の主要原因である。主要なリスク因子は喫煙で、受動喫煙も含まれる

肺がんの診断では、よく見られる症状には、咳、疲労感、体重減少、食欲不振、体または骨の痛みがある。また、喫煙歴が30パック年以上ある人（1日あたりの喫煙量×喫煙年数、例：1日2パック×15年＝30パック年）や、禁煙してから15年未満の人には、低用量CT胸部スキャンを年に一度受けることを推奨することで、初期段階の肺がんを発見する可能性が高まる。診察で肺がんの疑いがある場合は、確認のために肺組織の生検が行われ、肺がんと診断された場合は、CTやPET/CTと頭部MRIを組み合わせて、治療計画を立てるための病期を確定する

肺がんの治療では、初期段階では手術に加えて放射線治療や化学療法が患者によっては適用される。進行期または「ステージ4」と呼ばれる場合は、化学療法、標的療法(Targeted Therapy)、または免疫療法(Immunotherapy)などの薬物治療が行われる。これにより、サイトトキシックT細胞ががん細胞をより効果的に破壊できるようになる。これらの方法は多くのがんの治療においてますます使用されており、治療方法が改善され、生存率が上がっても、肺がんは依然としてがん死の主要な原因である。だからこそ、喫煙を減らし、やめることが重要で、既に罹患している場合は、早期に医療機関を受診することが肝心である

タバコと血管および心臓

喫煙者は非喫煙者に比べ、血管が劣化し閉塞するのが10–15年早い。特に、避妊薬を使用する喫煙女性は、一般的な女性に比べて、冠状動脈疾患のリスクが約40倍、そして急性心筋梗塞のリスクが10倍高い。喫煙量が多いほどリスクは高まる。したがって、タバコの害を知り、心を健康に保つことが常に重要である

喫煙は心臓に直接的な影響を与え、心臓がより一層の働きを強いられる。心拍数が上がり、心臓の血管が狭まり、血圧が上昇する。特に、タバコの煙に含まれる有毒物質、ニコチンは血圧を上げ、心拍数を増加させ、心臓を栄養する血管の収縮、心筋の酸素供給不足を引き起こす。また、一酸化炭素も非常に有害で、赤血球と結びつき、心筋への酸素供給を減少させる。喫煙を10年以上やめている人は、非喫煙者と同じくらい冠状動脈疾患のリスクがある

喫煙をやめることは難しくない。決心があれば行える。たった数時間喫煙をやめるだけで、心拍数と血圧が下がり、体内の有毒物質が減少する。特に、喫煙する親を持つ子どもは、心臓の動脈硬化のリスクが4倍、動脈閉塞症のリスクが2倍になる。喫煙しない親を持つ子どもと比較して

喫煙をやめるための簡単なテクニックには、喫煙に関連するすべてのアイテムを除去すること、喫煙者から離れること、アルコール類の摂取を避けること、ストレスを喫煙に頼らずに処理することがある。最初はイライラするかもしれませんが、深呼吸をして、たくさんの水を飲み、リラックスするためにシャワーを浴び、定期的に運動をすることで、良い健康状態に戻ることは決して難しくない